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となりの陰謀論 烏谷昌幸
¥700
2025年発行。 アメリカや国内の最新の政治状況も踏まえて、陰謀論が社会に及ぼしている侮れない影響について啓発していく新書です。 個人的には、この本を読むうちに陰謀論を信じている人々の生活のリアリティや願望のようなものに徐々に想像が及んできて、自分と「陰謀論者」を分かつ境界線などどこにもないことを実感し、この問題に対するスタンスが混迷してくるような感じがありました。
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コンプレックス 河合隼雄
¥600
1971年発行、50年以上読み継がれている岩波新書のクラシック。 コンプレックスという言葉に敏感に反応してしまう人にはもちろん参考になるはずですが、コンプレックスなんて自分には縁遠いと思っている人にとっても目から鱗かもしれません。 文学も引き合いに出しつつ、ひとの無意識のメカニズムを深掘りしていくようなエキサイティングな一冊です。
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辺野古入門 熊本博之
¥500
2022年出版。 米軍基地の問題をめぐって、報道などでは微妙なニュアンスが捨象されてしまいがちなその土地の人々の思いや考え、そこに至るまでの理路や経緯を丁寧に解説していて、現実の複雑さを目の当たりにします。 米軍基地問題を沖縄のローカルな話だと思って生きていた・生きられてしまっていた私にとっては必読の一冊でした。
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エスノグラフィ入門 石岡丈昇
¥700
2024年出版。 「エスノグラフィ」は社会学の調査手法のひとつで、多くの読者には馴染みのないものかと思いますが、筆者自らが平易な文体で丁寧に解説してくれるので、どんどん興味が湧いてきます。 実際に読んでみたくなった人向けに、巻末にブックガイドがついているのも親切です。 人々の生活を内在的に眺めようとする「エスノグラフィ」の考え方は、人々の価値観が多様化するこの時代に他者に対する敬意を忘れないためにも、とても大事なものだと感じます。
